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  1. 下剤
  2. 血栓症と抗凝固療法
  3. 重症筋無力症と胸腺腫
  4. 呼吸機能検査
  5. 難治性肺胞瘻と第XIII因子について
  6. 縦隔腫瘍
  7. 腫瘍マーカー CA19-9
  8. MRIの特性
  9. 非小細胞肺癌の補助化学療法
  10. 輸液の基礎知識

1-10|11-20|21-30

31-40|41-50|51-

研修医宿題

腫瘍マーカー CA19-9

田中 良一

シアリルルイスAグループの糖鎖抗原(CA19-9)

値(U/ml)

方針

頻度の高い状態

鑑別すべき疾患

1以下

CA19-9無産生(癌の疑いあればCA50かSPAN-1測定)

ルイス陰性者=Le(a-b-)

ルイス陰性者での癌

7-25

正常値

健康

CA19-9非産生性癌

26-37

境界領域(要追跡)

若年婦人、妊娠

胆道系疾患、内膜症、卵巣嚢腫、子宮筋腫

38-100

低い陽性値(要精検)

良性肝胆膵疾患、良性婦人科疾患、慢性呼吸器疾患

膵、胆道、消化器癌、粘液産生性膵腫瘍、正常婦人、卵巣癌、子宮体癌、肺癌、気管支嚢胞症

100-1000

明らかな陽性値、癌の可能性大(要治療)

膵癌、胆道癌、進行消化管癌、卵巣癌、進行肺癌

胆石症、胆管炎、卵巣嚢腫、気管支嚢胞、気管支拡張症

糖鎖抗原CA19-9とは、大腸癌培養細胞SW1116をマウスに免疫して作製したモノクローナル抗体MS19-9の認識する糖鎖のことである。血清の測定では大腸癌、各種の消化器癌、膵癌、胆肝癌の患者に高頻度かつ高濃度の抗原が検出される.抗原は[Gal1-3GlcNAc]の繰り返し構造(I型糖鎖)を基本骨格とするルイスA(Lea)の血液型糖鎖にシアル酸が結合したシアルルイスAで、血清中には分子量500万以上の巨大シアロムチンとして他の糖鎖とともに存在する.抗原は正常胎児および成人の唾液腺、胆管系および膵管系上皮の組織中に微量に検出される.

臨床的意義

良性患者ではおおむね正常域にある。また、胆管炎を併発した胆石症の中に、1000U/ml近い異常高値をとる症例があったが、炎症と閉塞の解除に伴って正常値に低下した.悪性腫瘍では、腫瘍が小さくても異常高値をとることが多い。また、膵管・胆管の閉塞が解除されたとしても正常値までは回復しないことが多い.


May 13, 2005

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